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一本ではなく全体を
 治療を進めてゆくためには、まず現在のお口の中の状態を診査し、これに基づいて診断し、さらに綿密な治療計画を立てる必要があります。痛くて日常生活にさしさわるような歯があれば、さしあたりの応急処置をしなければなりませんが、それは別として、歯周病の治療は一本あるいは数本の歯を症状にしたがって無計画に治療しても、成功することはありません。お口の中にある全ての歯を一つの単位としてとらえ全身の健康と一体のものとして考えて治療計画を立てて、治療を進めてゆかなければなりません。
 この治療計画の細部の内容については、もちろん患者さんによって異なってきますが、どのような症例でも、これだけはどうしても必要だという三つの条件があり、そのうちどれが欠けてもこの計画は成功しません。
 この三つの条件とは、
   (1) 徹底した予防教育、予防指導を受け自分自身で実行すること。
   (2) きわめて精密な治療を受けること。
   (3) 治療後も定期的に検診を受け、そのつど必要な指導と処置を受けること。
      (メンテナンス・リコール)
 多くの歯科医がやってきたことはAの条件だけを満たそうとするものだったと言うことになります。それだけでは必ず失敗に終わると言うことはもう前回の説明で十分ご理解していただいたと思います。上手で、良心的な治療では、また再治療の繰り返しとなるだけです。結局、良心的ではない結果が待っていると言うことを肝に銘じていただきたい。この三つの条件の中で、どれが一番大事かと聞かれれば、@の条件だと答えます。どんな病気でも、原因が取り除けなければ、本当の意味での治癒ではないのです。次回からこの三つの条件について詳しく解説いたしましょう。
 
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有田歯科医院  院長 有田博一
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